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…世間が夏休みのあの日、海の近くの親の実家に家族で帰省していた。
毎年恒例のことだった。
いつものように、双子の弟の侑人と海岸の浅瀬の磯で遊んだ。貝や魚、大自然が遊び場だった。
二人で夢中になって、気づかないうちに、どんどん海の方へ進んでいた。
私は、自分の足元の水かさが上がってきたのを感じたので、陸の方へ戻った。当然、侑人も先に戻っていると思ったから。
だって、双子だもん。
同じ考えを持つと信じていたから…。
でも…いなかった。
家に戻って、大人達を呼んだ。
侑人がいない、と。
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