第5章 天使兼悪魔

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…世間が夏休みのあの日、海の近くの親の実家に家族で帰省していた。 毎年恒例のことだった。 いつものように、双子の弟の侑人と海岸の浅瀬の磯で遊んだ。貝や魚、大自然が遊び場だった。 二人で夢中になって、気づかないうちに、どんどん海の方へ進んでいた。 私は、自分の足元の水かさが上がってきたのを感じたので、陸の方へ戻った。当然、侑人も先に戻っていると思ったから。 だって、双子だもん。 同じ考えを持つと信じていたから…。 でも…いなかった。 家に戻って、大人達を呼んだ。 侑人がいない、と。
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