第二章 歓迎会、開かれました。

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(どうせまた結婚がどうのこうのと弄られるに決まっている) 昨日の雰囲気からしてこのおばあちゃんたちの今現在の一番の関心事は私の恋愛についてだろうというのが分かったので何としてでもそれをかわしたかった。 (それに……皆さんに話せるような恋愛なんてしてこなかったからな) 別に笑いを取るような会話でもないだろうけれど、話していい経験とそうでない経験の線引きはちゃんと分かっている。 (私の場合は完全にアウトです)なんて頭の中でぼやいているとメールの受信トレイに新着マークがついていた。 (あ、芽衣子からだ) 昨夜、友人の芽衣子から電話が来て提案された件について細かく書かれたメールだった。 (月に2回……4ページ構成) 条件を確認し終え、また小さくため息をついた。 (まぁ、こんなものかな) 出版社に勤務する芽衣子から副業の誘いを受けた。それは私が此処に来るまで生業にしていた仕事の在宅バージョンだったけれど、意外と家計の足しになる報酬に心の中で手を合わせた。 (ありがたや~持つべきは編集者の友人様様!) 生活費に関する憂いが少し減ったことに密かに安堵した。
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