第二章 歓迎会、開かれました。

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お昼を少し過ぎた頃、お店にやって来たのは昨日のふたり組だった。 「いらっしゃいませ」 「ヤッホー、お元気? 美野里ちゃん」 「北原さん、それに南さん」 「名前、憶えてくれたんですね。ありがとうございます」 金髪ピアスの北原さんに真面目眼鏡の南さん。見た目に個性が現れていてすぐに人物と名前がインプットされた。 「ご注文は?」 「おれ、いつもの」 「いつものって、昨日と同じものですか?」 「そう、覚えているかなぁ~」 「アメリカンですよね」 「正解! さっすがぁ~」 「だって昨日の今日ですよ? 覚えていますって」 「覚えてくれていたことが嬉しいんだってーの」 気さくな北原さんとはすぐに打ち解けて話すことが出来た。その一方で── 「南さんも昨日と同じものですか?」 「いえ、今日は木曜日なので抹茶ラテを」 「木曜日、なので?」 「はい。曜日で飲むものが決まっています。木曜日は抹茶ラテです」 「そうなんですね」 (ははっ、面白い人) 心の中で含み笑いをつつ、曜日別注文をメモしておかなくてはと思った。
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