Love Life Harvest

最終章 幸せな、未来来ました。

「だからね、そんな窮地を救ってくれた先生のことをわたしは尊敬しているし、変な話、忠誠を誓っているところがあるの」
「忠誠？」
「そう。だから先生の幸せはわたしの幸せでもある。そしてそんな先生が選んだ美野里ちゃんもわたしにとっては大切な存在ってこと」
「……」

蘭さんの言葉がグサグサと深く心に刺さった。

そんな風に言ってもらえるなんて嬉しいやらおこがましいやらで戸惑う。

だけどだからこそ思ってしまう。

「蘭さん！」

思わず蘭さんの掌を掴んで握りしめた。

「私にとっても蘭さんは大切な存在です！」
「え」
「蘭さんにも幸せになってもらいたい！ そう心の底から思います」
「……美野里ちゃん」

思いつくままの言葉を蘭さんに向かって投げかけ続けた。

そんな私に蘭さんは一瞬呆気に取られていたけれど、やがて笑みが零れ「じゃあ美野里ちゃんオススメの男性がいたら紹介してね」なんて言った。

「オススメ……ですか」

男性の友人が少ない私は頭を抱えてしまう。

「あぁ、ごめんなさい。今すぐにとか、絶対にって訳じゃないから。というか、今はまだ恋愛はいいかなと思っているの」
「……」
「こういうことは自然に。縁があったらいつか巡り会えるものだと思っているから」
「……そう、ですね」

それは私もそうだった。此処に来た時、恋愛をしたいと望む気持ちはなかった。そして雄隆さんと初めて会った時もそういう感情はなかった。

縁があれば自然とそうなる。

それは私自身が身をもって知ったことだった。