最終章 幸せな、未来来ました。

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「盗み撮りが犯罪だということは重々承知している。だがそうまでしても俺は君の全てを知りたいと──」 「だからもういいですって──……あ!」 言い訳なのか謝罪なのか曖昧に語られる言葉と共に雄隆さんの手が忙しなく私の着衣を乱す。 「本当に愛しているんだ、美野里」 「っ!」 熱に浮かされたような艶っぽい表情で囁かれると私の中にあった淡い怒りは一気に吹き飛んでしまい、その代わりに芽生える欲が心と体を満たして行った。 どんどん進んで行くいつもの濃厚な行為に身悶えている私を雄隆さんはいつも以上に愛した。 雄隆さんから与えられる気が狂いそうな快楽はほんの少しの理性で抑えていた願望を容易く口から出させていた。 「……雄隆さん」 「ん?」 雄隆さんが当たり前のように手に取ったそれを取り上げた。 「これは……使わないでください」 「え」 「もう……いいんです」 「……美野里」 私が何を言いたいのかを悟った雄隆さんは何ともいえない表情を見せた。 そうしてゆるゆると表情を和らげ赤くなっているだろう耳元で囁いた。 「望んでもいいのか? 君も俺と同じものが欲しいと……そう思っていいのか?」 「……」 あえて『何が』とは訊かず、私は黙って首を縦に振った。 その瞬間、私に見せた雄隆さんの得もいわれぬ表情は心の中に深く刻み込まれたのだった──。
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