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「もしかして……まだ私が知らない隠し撮りがあるとか?」
「は? 何をいっているんだ」
「だって見せたいものなんて、改めてそんなことをいうなんて変だなと思って」
「失礼だな。家に着くまでそれは何だろう? というワクワク感を与えたのに」
「ワクワク感って……ある意味ドキドキ感しかありません」
「それはいい意味でか」
「どちらかというと悪い意味で」
「おい」
小気味いい掛け合いから雄隆さんが告げた私に見せたいものというのが悪いものではないと思った。
(こんな風に予告していうなんて初めてだから)
思わず勘繰ってしまったけれど、確かに見せたいものとは何だろうと思うと微かなワクワク感が去来したのだった。
「ただいま」
玄関扉を開けながらいつもの癖で帰宅の挨拶が出る。すると横にいた雄隆さんが「おかえり」と応えてくれた。
こういう些細なことに幸せを感じて顔が綻んでしまう。
荷物を居間に置いて手洗いをするために洗面所へと向かった。
手洗いうがいを済ませて居間に戻ると其処には正座している雄隆さんの姿があった。
「美野里、此処に座ってくれ」
「今ですか? 食事の後でも──」
「今だ」
「……」
雄隆さんがとても真面目な顔をしてそんなことをいうものだから素直に座布団が置いてある処へと腰を下ろした。
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