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「これからもよろしく、奥さん」
「っ、此方こそ不束者ですがよろしくお願いします。……あなた」
「! ちょ……なんだ、それ」
「え?」
ガバッと離され温もりが消えたことに寂しいと思いながらも、目の前には頬を赤らめた雄隆さんがいて、そんな彼の初めての表情を見られたことで寂しさは埋められた。
「『あなた』って~~~君は本当に俺を色んな意味で幸せにしてくれるな」
「それは私の台詞です。私はいつも雄隆さんに幸せにしてもらっています」
「……そうか。俺たちは似た者同士、か」
「はい、似た者同士の夫婦です」
お互い見つめ合ってほほ笑んでもう一度緩く抱き合った。──と、その時
くぅぅぅぅ~~~
「「!!」」
突然私のお腹の虫が鳴ってふたり顔を見合わせた。
「はっ……君はいつもいいムードになると腹の虫を鳴らすなぁ」
「わ、わざとじゃありませんからね!」
恥ずかしい気持ちで必死に弁明している私を優し気に見つめる雄隆さん。
「はいはい。俺も腹が減ったよ」
「じゃ、じゃあ晩ご飯の支度、します」
「俺も手伝う。一緒に作ろう」
「はい!」
私たちはこうやって同じようで同じではない日々を積み重ねて行く。
いい事も悪い事も、嬉しい事も哀しい事もふたりでなら二倍にも半分にもなる。
そうして沢山の想いを実らせるために私たちはこれからも共に手を携えて未来を歩んで行く──。
Love Life Harvest(終)
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