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(え、先生?)
「……なんだ、おまえらいたのか」
南さんに声をかけられた東藤さんは一瞬怪訝そうな表情を浮かべて昨日と同じ窓際の席に腰を下ろした。
「えぇーなんでそんな離れたとこに座ってんだよ。折角顔合わせたんだからよ、こっちに来て駄弁ろうぜ!」
「煩いよ、北原」
「相変わらず顔色悪いなー。先生よぉ、ちゃんと喰うもん喰ってんのか」
「そのために来たっていうのにおまえらがいたんじゃ落ち着いて食事も出来ない」
「そんなことをいわないでください、先生。今、美野里さんの歓迎会について話しをしていたんです」
「……歓迎会?」
そうボソッと呟くと東藤さんの視線が私を捉えた。
「すみませんが何か食べるものを作ってください」
「え」
「昨日のピラフでいいです。昼飯、食べていないので」
「あ……はい」
呆けていた頭にピラフの三文字が刻印され慌てて冷蔵庫に手を掛けた。
(えーっと……つまりどういうこと?)
つまりは……東藤さんと北原さんと南さんは知り合い。
でも東藤さんはふたりのことをあまりよく思っていない?
そして南さんたち曰く東藤さんは『先生』と呼ばれている。
(うう~ん……よく解らない)
悩ましい関係性に頭を支配されながらも注文を受けたピラフを手早く作った。
「お待たせしました」
作ったピラフを東藤さんの前に置いた。
「ありがとう」
柔和な表情でお礼をいわれ一瞬ドキッと胸が高鳴った。
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