第四章 小説家、検索しました。

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そういえば以前、蘭さんが『あの先生はね、女を散々食い散らかして飽きてしまっているから今は干からびた仙人みたいな生活をしているの。だからこういった俗世の快楽を与えてはくれないのよ』なんてことをいっていたなと。 (まぁ、これだけカッコいいと色々あったんだろうなと思うよ) 私の知らない東藤さんがいて当たり前なのだ。 そしてそれは私にもいえたことで──…… (私、逆に人から同じようなことをいわれたらどう思う?) 「……すみませんでした」 「は?」 「気易く美しいとかカッコいいとかほっとかないとか……東藤さんのことよく知りもしないであれこれ詮索するような発言をしてしまって」 「……」 「いわれたくないですよね、見かけだけのことを」 「……」 「不躾でした。ごめんな──」 「君はおかしな女性だな」 「──え」 伏し目がちで東藤さんから視線を外していた私は徐に視線を東藤さんに戻した。其処にはいつもと変わらぬ飄々とした顔で食事を続ける東藤さんがいた。 しかしその雰囲気からは繋がらない鋭利な言葉が東藤さんの口から出た。
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