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同乗するのはアッガーラのうち二人。もう一人は御者に回ったので、外回りを警護するのは五人になった。また、貧民街の元締めをシャイア達の馬車に招いた為、ローザは使用人の馬車に移った。一番危険に晒せない者であると同時に、シャイア達が話をしやすく為の措置である。
バルクが先導し、二人が馬車の横を固め、殿に二人付いてきている。
来た時同様に五日の日程をこなし、その間に貧民街の現状からどうやって回復させるかを議論している間に王宮へと帰って来た。
貧民街の元締めであるガースに部屋をあてがうと、一先ず続きは明日という事でシャイアは握手をした降りた。
ザナスは塔へと一先ず送り、薬が抜けるまでは塔の最上階で暮らす運びとなる。いちいち発狂されては東の開墾が滞る為だ。
シャイアとナタリア、リァン、アカム、そしてバルクは執務室へ向かった。まずはロダスと情報交換をしなければならない。
「おかえりなさいませ」
執務室の中ではロダスが人数分の紅茶を淹れて待ち構えていた。元執事の実力を遺憾なく発揮して、ロダスは長旅を終えた彼らを迎え入れる。シャイアがざっと見ただけでも、書類の類は執務机の上に整然と並べられ、許可、却下、判断待ち、と三種類に分けられている。既に資料も揃えてある。有能である。
「まずは陛下からお話を賜りたく思います」
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