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「相分かった。まず、ザナスは爵位と領地を取り上げとする。あれは借金の虫だ、放っておいても改善しないので薬が抜け次第東の開墾に加える。それまでは塔で軟禁だな。次いで借金問題はアカムがうまくやってくれた。後でアカムに報奨金を出すように。リァンは貧民街の元締めと話を付けた。彼にも報奨金を。元締め……ガースは城に招いてある。一先ずはザナス領は直轄地とするが、私の領土が些か広くなり過ぎた。西の反乱軍の領土と併せて新たな領主を据える必要がある。その選抜に意見が欲しい」
ここまでシャイアが一人喋ると、ロダスはなるほど、と頷き考え込んだ。
「……そういう事でしたら、シーヴィス殿のご意見を伺うのがよろしいかと」
「シーヴィス? あぁ!」
失念していた。シーヴィスが居たでは無いか。
先々代の宰相ならばこの国の事も詳らかに把握していてもおかしくない。領主にする人間を間違えれば、またあの惨状に逆戻りだ。先々代から先代の間に領主として即位した者が大半なのだから、シーヴィスならば確かに適任である。
「明日シーヴィスを呼んで話を聞く。ロダス、手配を頼む。アカム、リァン、詳細は明日の朝議にて皆に明らかにする故、今他に話しておきたいことはあるか?」
「いえ、ございません」
「私からもございません、陛下」
「ならば今日は下がって良い。ゆっくりと休めよ、また忙しくなる」
「はっ!」
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