二章 五幕 帰還報告

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 バルクは相当迷った。聞きたい、という気持ち半分、聞けば後戻りできない、という恐れ半分。  ナタリアもシャイアも急かさなかった。シャイアはすんなりと受け止める事ができたが、それは『同じ国の味方』だからである。これが別の国となれば、それを聞く事に躊躇いも出るだろう。 「…………あっしも男です。伺いましょう、王妃陛下」  そうして、ナタリアはシャイアにしたのと同じ話を、バルクにも聞かせた。  それは長い長い話であり、月が傾くまで続いた。
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