プロローグ。

15/18
前へ
/114ページ
次へ
まさか……と思ったが、違うなら 何故ここに……? 先生の部屋にあるのだから藤沢先生が 描いたと思った方が自然だろう。 もう一度スケッチブックを見る。 他にも何枚も描かれていたが、どれも 綺麗で……まるで白黒写真を見ているようだ。 あぁ、何だか心が現れるようだ。 胸がキュンと締め付けられるほど 切なくなる。 しかし、その時だった。 「お前……何でここにいる?」 藤沢先生が帰宅してしまう。 な、何で……もう帰って来たの!? まさか、こんな時間に帰ってくるなんて 思ってもみなかった。 ど、どうしよう……。 無断で部屋に入った上に盗み読みしたのが バレてしまった。 「お、お帰りなさい。すみません。 洗濯物を置きに来たら……その……見つけて」 慌ててスケッチブックを置いた。 するとハァッ……とため息を吐かれる。
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!

940人が本棚に入れています
本棚に追加