プロローグ。

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そんな……。 確かに。腕のいい藤沢先生が医者の道を選び 跡を継いでもらえた方が病院も安泰だ。 皆それを望んでいる……。 でも、こんな素敵な絵を もう描かないなんて勿体ない。 どうしたら描いてくれるのだろうか? 私は、もっと描いてほしいと思った。 「おい。いつまで居る気だ? 洗濯物を置いたら早く部屋から出ていけ」 「あ、すみません」 私は、慌てて部屋から出て行く。 怒らしてしまった……。 私が無断で部屋に入り触ってほしくない スケッチブックを触ったからだろうか? せっかく……違う藤沢先生の姿を 見ることが出来たのに。 閉められたドアを見ながら切ない気持ちになった。 翌朝。 私は、早起きをして朝食とお弁当を作る。
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