先生の絵。

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「いや、謝るな。 本当は、嬉しかったんだ。 あんなちっぽけで どうしようもない俺の絵を見つけて 捨てるのが勿体ないと言ってくれたのが。 それに……よし、描けた」 そう言いかけた先生の手か止まった。 どうやら納得いく絵が描けたようだ! 私も見たい。 「本当ですか!? 私も見させて下さい」 慌てて起き上がった。 藤沢先生のところに行き 近くで見させてもらうと……凄い。 私が寝ている姿を描いた人物画なのに とても綺麗に描いてくれていた。 しかも、驚くほどによく似ている。 細かいところまで丁重に描かれていた。 やっぱり私は、この人の描く絵が好きだ。 繊細で切なくなるぐらいに優しくて 心が洗われるようだ。 「どうだ?」 「素敵です。 私なのに……私ではないみたいです」 間近で、じっくりて見ていた。 すると先生は、恥ずかしそうに目線を逸らして その部分の絵を引き千切ってきた。
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