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『わたしを離さないで』
新しい年を迎え、早一か月が経とうとしていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。私は防寒しながら散歩することが日課となりつつあります。(最近は寒すぎるので、引きこもってますが……笑)
そんなわけで、大変遅くなってしまいましたが、今年もよろしくお願いいたします。と言いつつも、今年は昨年以上に浮上できない予定となっております……悲しい(´・ω・)
気を取り直して、2023年最初の読書感想したいと思います!
『わたしを離さないで』 カズオ・イシグロ
【あらすじ】
ヘールシャムでの謎めいた生活を回顧する優秀な「介護人」のキャシー。
ヘールシャムに隠された秘密と彼らに課せられた残酷な使命が明らかになっていくとき、運命とどのように向き合うのか。
ごめんなさい。いつものごとく、あらすじ適当です。お許しくださいませ(汗)
超有名作品なので、ご存知の方もいらっしゃると思います。大まかなあらすじは読む前に知っていたのですが、想像の何億倍も面白く後半に行くにつれて「読み終わりたくない!」という気持ちが増していきました。そんな気持ちになる本はかなり久しぶりで、出会えてよかったなという一冊になりました。
序盤は淡々とヘールシャムでの謎めいた生活が語られているのですが、物語が進んでいくうちに免れようのない残酷な運命が明らかになります。キャシー、トミー、ルースの三人の複雑になっていく友情、恋愛関係にも目が離せません。
決して明るい話ではないので、人によって好みは分かれると思うのですが、きっと、読後胸の中に何かを残してくれる作品だと思います。切なくて苦しくて、でも、必死にもがく生き様は美しくて。私はこの作品が狂おしく好きになってしまいました(限界オタク)
好きなセリフ、好きなシーンたくさんあるのですが、哀愁漂うラストシーンが忘れられないです。ラストシーンにこの物語のすべてというかメッセージが集約されていると言っても過言ではないでしょう。
どんなにたくさんのものを失ったのだとしても、共に過ごした時間や記憶は決して消えることなく、とどまり続けるのだと強く訴えるような主人公キャシーの心理描写と情景描写がこれでもかというくらいに心の臓を抉ってきました。
だって、××を見て○○を思うなんて、その感性というか主人公の見ている世界観が美しすぎるんですもの……(ネタバレになるので伏字)
読後一週間くらい、『わたしを離さないで』が頭から離れず、色々調べていたら映画があることを知り、レンタルで見ました。うーん、これもまた素晴らしい作品です。小説の美味しいところが二時間にぎゅっと凝縮されています。そして、何よりも小説の世界観がそのまんま再現されていて感動。
今年も素敵な本と出会えるといいな。あと、もっと雑食になって色々なジャンルの本を読みたいです! ではでは今回はこの辺で失礼いたします。
2023/1/27
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