青い理想

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青い理想

 青い海、青い空、白い砂浜、色とりどりの水着。夏真っ盛りの海水浴場は地元の若者で(にぎ)わっていた。青子とは別のルートで来たので、お目当ての水着姿はまだ見ていない。 「あー!海はいいなぁー。勉強のストレスとかぜーんぶ吹っ飛ぶわぁー。」 「ほんと。久しぶりに来ると興奮するな。」 「だよな!水着美女もうようよいるし、この夏こそは彼女作るぜ!お前も手伝えよ?」 「何で僕がお前の恋路(こいじ)をサポートしなきゃいけないんだよ!」  他愛(たわい)ない会話をしながら待つこと五分。遠くから手を振る姿を見つけた時、一気に鼓動が跳ね上がる。思わず変なところに空気が入り、激しく()せた。 「ごめん、お待たせ!途中でビーチボールとなお菓子買ってたからさー。」  彼女の言葉は僕の耳には入らなかった。真っ白なワンピース水着。胸もとにはワンポイントの青いリボンがあしらわれている。胸の谷間を強調するようなキツめのサイズ感。僕は鼻血が出ないように必死に高ぶる気持ちを抑える。こんなの罪だ。 「これで全員だよね?」 「揃ったな?じゃあさっそく海へレッツゴー!」 「おー!」     
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