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女。
女は道具。
男は獣・・・。
けれど、女は道具である前にバケモノだ。
そんなバケモノにただの獣が敵うはずなどない。
なのに、馬鹿な獣は『自分の方が強い』と信じて疑わない。
所詮は獣。
考えることはこの上なく浅はかだ・・・。
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「ほらっ! 黒姫! そんな怖い顔してたら折角のお客さんも逃げちゃうよ? ほらっ! 笑って、笑って!」
明るい声でそう言って私の肩を無遠慮にバシバシと叩いてきたのは幼顔をした一人の女・・・。
私はその女をジロリと睨め付け見たけれど、その女は一瞬だけきょとんと間の抜けた表情を浮かべただけで全く怯んでなどいなかった。
それどころかその女は私と視線が合わさったことに気が付くとニコリと人懐っこい笑みを満面に滲ませていた。
今宵もまた私の心はその女の笑みによって乱される・・・。
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