女。

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女。

女は道具。 男は(けだもの)・・・。 けれど、女は道具である前にバケモノだ。 そんなバケモノにただの(けだもの)が敵うはずなどない。 なのに、馬鹿な(けだもの)は『自分(おとこ)の方が強い』と信じて疑わない。 所詮は(けだもの)。 考えることはこの上なく浅はかだ・・・。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「ほらっ! 黒姫(こっき)! そんな怖い顔してたら折角のお客さんも逃げちゃうよ? ほらっ! 笑って、笑って!」 明るい声でそう言って私の肩を無遠慮にバシバシと叩いてきたのは幼顔をした一人(いっぴき)(バケモノ)・・・。 私はその(バケモノ)をジロリと睨め付け見たけれど、その(バケモノ)は一瞬だけきょとんと間の抜けた表情を浮かべただけで全く怯んでなどいなかった。 それどころかその(バケモノ)は私と視線が合わさったことに気が付くとニコリと人懐っこい笑みを満面に滲ませていた。 今宵もまた私の心はその(バケモノ)の笑みによって乱される・・・。
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