序章

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「・・・・・・」 「同じ様に千々古も」 「ノラ猫に捕まりそうになったのを直輝が先に保護したんずら?」 「・・・・・・・・・」 気持ち良い報告は、桔梗の隣に鎮座する双葉の事実のツッコミに遮られ続けた 落ち込みかけた2人に、 「まぁ、それでも送り届けたはおめぇらだっちゅつこんは認めてやらぁ」 と、ニヤリと笑う双葉 「う、うん」 「その通りじゃな、これからも精進するのじゃぞ」 桔梗からも労いと励ましの言葉をもらい、2人の里帰りは終わった 「ただいま」 「土産あるぞ」 社に入ると中はほんのり暖かい 童達が火をおこしてくれていたのだ キャッキヤャッ、と出迎える童に手を引かれ和室に入ると、そこに居たのは童達だけではなかった 「おかえり」 「直輝?」 直輝が童達と双六ゲームで遊んでいた 「これ、楽しいね」 現代の小学生の直輝には馴染みの薄いボードゲームだがテレビやスマホのゲームより夢中になれるようだ ノートを破って作ったサイコロを転がし、其処らにあった石をコマにしている 一ふり毎に童達とワイワイやっているのを見ながら公俊は荷ほどきし、土産を取り出していた 「おーい、土産だぞ」 敷布の上に幾種類のキャラメルを広げる     
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