序章

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変わってしまった友達、というのはなかなかクラスに馴染めなかった直輝に話しかけたり遊びに誘ったりしてクラスに溶け込やすくしてくれたクラスのリーダー的存在の子らしい そのお陰で直輝は今では学校が楽しくなり始めた 「勉強も見てくれたから授業についていけたし、休み時間もグループに呼んでくれて寂しくなくなったし、他にもいろいろ」 「つまり、直輝の恩人ってか?」 「そうなんだ、すごく良い奴なんだ・・・でも」 直輝はどうやって、その友達の様子を説明しようか?と迷っていると、 「今、とりつかれたみてぇだって言ったけど、どんな具合になっちまったんだ?」 リウがこう聞くと、直輝は続ける事が出来た 「うん、先ず眼が違うんだ」 「眼?」 「なんだか焦点が合ってないみたいで、目の前に居るのに遠くを見ているみたいで」 「ふむふむ?」 「歩いていても、突然立ち止まって動かなくなったり、時々ぶつぶつ独り言言ってたり」 「そりゃ、恐ぇえな」 「しかも、だよ喋っている言葉が日本語じゃないんだ」 と、そこで直輝は言葉を止めて、 「ううん、日本語だと思うんだけど意味が分からないっていうか・・・」 「なんなんだ?そりゃ」 意味の分からない日本語? それは直輝に耳慣れない言葉なのだろう、とは想像出来るが、実際聞いてみない内の判断は早計だろう 「分かった、じゃあ明日そいつの様子見に行っか」 「調べてくれるの?」     
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