序章

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「ああ、今の所俺らやることねぇしな」 村から次の命令が来るまでなら自分達が好きに調べられる 「俺らに頼む為に待ってたんずら?」 「うん」 ホッとしたのか、直輝は泣きそうな顔をした 「良かった、断られたらどうしようって思ってたから」 「子供に土下座されて断れるかっつうの」 へへ、と笑う直輝 「じゃ、先ずはその友達の事だけど?」 「うん、名前は冴木珪っていうんだ」 直輝は珪について知っている事を話した しかし、直輝も話しながら自分がそれほど珪に詳しくない事を思い知った 学校での珪しか知らなかったのだ 「・・・ごめんなさい、僕あんまり珪の事知らなかった・・・」 直輝が話せたのは、珪が学校でどれ程優しかったか、頼りがいのある存在だったか、だ 「お願いに来たのに、こんな情報しか無くて」 「いいや、それで十分だ」 「え?」 落ち込む直輝に、公俊とリウはニッと笑ってみせた 「余分な情報がねぇ方が調べやすい事もあるさ」
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