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序章
年末
クリスマスが終わり、年始の準備に町中が騒がしくなる頃、一足先に里帰りを終えた公俊とリウは童達へのお土産を持って社に帰ってきた
チラチラと雪が舞う
「こっちはまだ積もんねぇな」
地面に着くと、雪はとけて消えてしまう
「樹海は積もってたもんな」
約4ヶ月ぶりの村は白く雪を被っていた
くるぶし辺りまで埋まる中、まだ人が通っていない林道を歩く
動物達は冬篭りを初めているのか、姿が見えない
静かな樹海で2人の雪を踏む音だけが聞こえる
仕事をやり遂げた2人を、村長の桔梗は暖かく迎えてくれた
「よくやってくれたな、海ん坊は無事に海に還せたのじゃな」
「はい、ちゃんと海坊主になってくれるでしょう」
誇らし気に報告する公俊の横でリウもドヤ顔をしている
「他にも、多くの妖かしの保護もやってくれていららしいな?」
大瀬の事を終えてからは細かい仕事の依頼が続き、そちらをつつが無く行っていた
「迷子の妖狸の子供も、ケガもなく」
「土地神樣の祠でウロウロしていたのを沙耶が保護してくれてたんずら?」
「・・・」
「風にさらわれたケサランパサランも見つけて」
「庭仕事をしていた童達が空を流されているのを見て追いかけてくれてたんずら?」
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