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「あれ?先輩、ヒナちゃんとデートの帰りですか?」
私の部屋に入る時、見たことない看護婦さんが私と居た看護婦に話しかけていた。
新人さんかな?それとも私が思い出せないだけかな?
「そうよ。じゃあ戻りましょ」
看護婦さんは笑顔を崩さず後輩さんらしき看護婦さんと出ていこうとした。
「あの、はるくんって夕方には戻って来るんですよね?」
私は忘れないようにもう一度確認しておいた。
「そうよ」
「先輩、はるくんって誰ですか?」
あ、やっぱり新人さんなんだ。
はるくんを知らないって事は入ったばかりなんだ。
私はそう思った。
「あ……えっと、その話はナースステーションに戻ってから、ね?」
「えっと?はい」
何故だろう?看護婦さんからは言いづらそうな雰囲気と戸惑いの気配を感じた。
「……はるくん、何かあったんですか?」
自然と推測出来た……。絶対何かあったんだ。
「えっと、ね?ちょっと風邪を酷くしてね、それを含めた検査なの」
「そうですか……」
嘘……だと、思った。
けど……なんでかな?
これは私を気遣った嘘……。
だけど……わからない。
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