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想像してみて欲しい。
毎日、新しい事だらけである。
全く記憶に残らない。
親の顔ですら思い出せないのだ。
その日に会ったばかりの人なんて一時間もすれば記憶の欠片にすら残っていない。
だから、私はいつもメモ帳を手放せない。
その日にあった事や大事な事はすぐにメモしておくようにしている。
新しくなるたびにメモ帳の最初のページにはいつも同じことを書いている。
゛私の名前は沢井 ヒナ。百合原病院207号室の住人〝
そう書いてある。
名前は見るたび違和感しかない。
でも、これが私の名前らしい。
記憶にはないのだが、私に親しそうに話しかけてくる看護婦さん達が私を゛ヒナちゃん〝と呼ぶから多分間違ってはないのだろう。
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