その後の二人

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「怖かったねー、映画」  知矢が隣を歩く典夫を見上げそう言うと、 「そうかー?」  余裕の笑みで兄は応える。 「知矢は怖がりだからな。おまえ途中からずっとオレの手、握ってただろ?」 「だって……」  典夫にからかわれて、知矢は頬を膨らませて拗ねてみせた。  兄は小さく笑って、知矢の頬を突っついて来る。 「ふくれっ面もかわいいな、知矢は」
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