燃えたはぐれ蟻

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やっぱり、そうなんだね。 そして、炎が上がった。 「ひ、人が急に燃えた!」 「え、ちょ、だ、誰か119に!」 「マジこれ。撮ったほうが良いかな?」 周りは混乱ではなく、混沌としていた。 炎はなおも勢いを増しているのに。 誰もが見ているだけだった。 そして、しばらくして、そこには灰だけが残った。 また、人々は歩きだす。 駅から、巣穴から、出て行く、働き蟻のように。 国という女王蟻に貢物を探しに行くように。 雨が降ってもめげず気にせず、前に壁があるならただそれを避けるだけ、瓦礫が降ってきてもどかして進む。 かわらない、おなじだった。 ただ、蟻よりも自分に返ってくるものは少ない。ただそれだけのこと。
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