夜明けのばん

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 写真を見ながら、  二人は声を上げて泣いた。  辛そうに、  畳に額を付けて、  崩れ落ちて、  叫ぶように二人は泣いた。  僕は後ろから二人と肩を組んでありがとうと言ったんだ。  触れることの出来ない僕、  聞こえない筈の僕の声、  見えない筈の僕に二人は泣きながら、  何度もありがとうと叫んでいた。
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