夜明けのばん

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「やっぱり、 嘘じゃんか。 結局全部の不思議試したけれど、 何もオカシナ事なんか起こりはしない」  舌打ちをして、  茶室にある机を蹴り飛ばす。  痛かったのだろうか、  タダオは泣き出してしまった。 「タダオ」  ユミは心配そうにタダオに寄り添った。  タダオは顔をクシャクシャにして涙を流した。  ユミは涙を流すタダオの頭を撫でていて、  二人が凄く仲が良い事が分かる。  タダオは、  背追っていたリュックから一枚の写真を取り出す。  今年の春に僕と、  タダオ、ユミの三人で山へ遊びに言った時に撮って貰った写真。  幼稚園児の様に、  山で拾った木の枝を振りかざす僕ら写真、  楽しそうに笑う僕の顔が大きく映った写真。
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