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ブルー。 今朝のこの時間から今夜就寝するまでは、私の名前はブルーである。 テレビをつける。何があるというわけではないが、ただの暇潰しだ。 画面の左上に出ている時計の表示が、11時を示している。布団の上で寝転んだ時、天井に括り付けてあるアナログ時計は8時を告げていたのに。決断に時間がかかり過ぎたかと一瞬思ったが、そもそも針が2時間半遅れていただけだった。 平日の昼間の番組なんて、面白いものがあるわけないが、チャンネルを回し、見回りをするように、目を光らせる。 指がニュース番組で止まった。ニュースキャスターが、自分の出番が来たことにだらしなくほおを下げ、だが「悲しいです。」と自己主張するように目線を落とし、ある人物の無惨な事故現場の画面をバックに、速報を伝える。 母親の名前が出てきた。あいつ、やっと死んだかと思ったが、加害者らしい。非常に残念だ。 つまらない。 あらゆる事がつまらない。 つまらないという感情にも飽きてきた。そろそろ、昼飯にしようと今日初めて立ち上がった。
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