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進化は必要の中に
世界はいずれ来るであろう未来を、2016年のリオパラリンピックにみた。
パラリンピックの女子水泳背泳ぎが、オリンピックのワールドレコードを塗り替えたのだ。
それは否応無しに民衆に対し、新たな時代の幕開けを感じさせた。
パラリンピックがオリンピックの陽の下にあったのは、2020年の東京大会が
最後であった。
東京でのパラリンピックアスリートたちの躍進に、民衆や先端技術を生業にする企業は
人類の進化を期待した。
自国を代表するアスリートたちに様々な投資家や企業、そして世論が注目した。
彼等は今やスターであり、彼女らに施された機械化はテクノロジーの結晶だった。
企業はこぞってパラリンピックに殺到し、自社の力を世界にアピールした。
こうしてパラリンピックは4年に一度開催される、世界のテクノロジー評議会となった。
ー2032年7月ー
2020年のオリンピック会場であった代々木競技場は、今季オリンピックを控える競技者たちで熱気に包まれていた。
それに今年の夏は猛暑だったため、競技場内の気温は50℃を超えていた。
このような気温を叩き出す要因はこれらだけではなかった。
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