その彼、僕の虜につき。

いち。

「潤さんも一緒？ってか、ライブハウスで予定って1つしかないよね…？」

でも、僕がライブに行かないことに関しては諦めると言っていた。
そして、僕が察した内容と合致しない。
はて…これはどうしたものか…。

『あぁ、今日は箱じゃなくて隣のスタジオに…………あぁぁぁぁぁぁ!!待って逃げないで!!』

彼はうっかり口を滑らせて、僕はやはりそうかと信号待ち中の車から脱兎の如く逃げる。

「今日、MV撮影っしょ!?だからスタジオ借りたんでしょ!?」

やっぱり無理矢理にでも内容聞いとくべきだった、と吐き捨てる様に叫び近くのコンビニに逃げ込んだ。

八雲さんが何かを叫んでいたが、知ったことか!!