いち。

8/30
前へ
/303ページ
次へ
「あれ、怜我君?何してるの?」 後ろから声をかけられてビクッと肩が跳ねる。 「…っ。フミヤ!?」 あ…。潤さんのとこで働いてるんだったな…。 「はい、フミヤ君だよー。 で、怜我君はこんな所で何してるの?」 「あの、何で僕、ガッチリ腕掴まれちゃってんのか聞いても…?」 そう、フミヤに右腕をホールドされ逃げようにも隠れようにもそれが許されない。 「何言ってんの、怜我君? 今日はブラックレインのMV撮影日でしょ? だから僕は差し入れの買い出しに来てたの。そしたら怜我君が車から逃走したのが見えたから、こうして僕が確保してるんじゃない(笑)」 「逃走してるってわかった上で僕を確保する意味がわからないんだけど!!見逃して!!」
/303ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加