寝落ち

8/12
前へ
/12ページ
次へ
 許せぬ。  異世界の闇め。  この恨み、忘れはしない。  いつの日か貴様の喉笛を切り裂き、溢れ出た物を飲み干して高らかに笑ってやるぞ。  その日まで怯えて眠るが良い、異世界の闇よ。  我が意識を奪いたければ奪うがいい。  我が自由を奪う痺れを与えたければ与えるがいい。  ねっとりした魔物を差し向けて来るがいい。  呪われし文様を我が頬に刻むがいい。    だが私は負けぬ。  我が知の結晶をいくら奪ったとて。  どれだけ絶望の白を私の眼に示したとて。  この心だけは決して折ることは出来ぬ。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加