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錯乱
もう、終わりにしよう
ほんの突発的な意思が
この身を壊すために歩み出す
少しずつ眩暈がして
いつかの記憶によだれを垂らして
目も意識も遠ざかって
それでもハンドルが命を繋ぎとめて
ただ走り続ける
遠ざかり落ちて行く光
知らない山の中で横たわって
声に出ない叫び声が内側から聞こえて
記憶の散乱
目の前は暗い森の中
ひとりぼっちの中
聞こえる脳裏をよぎる声は
叫びにかき消されて
駆け落ちる身体が少しずつ記憶を遠い昔に戻して行く
終わりの夜に
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