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「いくらですか?」
男は老婆を救うつもりで花を買おうとしていた。
「私に同情して買うつもりならやめた方がいい。」
老婆に心を読まれているような気がした。
しかし、せっかく買おうと言うのに何故拒むのか?
しかも、まだ花はツボんでいる。
そんな男の思いも読み取っていたかの様に老婆は話を続ける。
「この花は世界に2つとない珍しい花だ。
大事にしっかり育てればとても美しい花が咲き、貴方の身に素敵な事が起きるでしょう。
だが、投げやりにすれば貴方だけでなく貴方の家族にもきっと不幸な出来事が起きるでしょう。」
老婆の穏やかな表情が次第に厳しくなっていった。
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