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私はカバンを取り出し、液晶画面を叩きながら男の子に近づく。
「ねえ、それ面白い?お姉ちゃんもまぜてよ」
「いいよ!一緒に遊ぼう?」
にこやかな笑顔を男の子に向け、高速でパネルを叩く。
残り、30秒。
「運転手さんは、僕かな? お姉ちゃんお隣に乗せて?」
「ダメだよ!お姉ちゃんは後ろのお席!ちゃんと、しいとべるとしなくちゃだめだよ。」
後20秒…
「そっかあ、残念。今度お隣に乗せてね」
不意に、男の子が何かに気づいたようにこちらを見上げた。
男の子の顔に、さっきまでの笑顔はなかった。
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