第1章 いつもと同じ

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私はカバンを取り出し、液晶画面を叩きながら男の子に近づく。 「ねえ、それ面白い?お姉ちゃんもまぜてよ」 「いいよ!一緒に遊ぼう?」 にこやかな笑顔を男の子に向け、高速でパネルを叩く。 残り、30秒。 「運転手さんは、僕かな? お姉ちゃんお隣に乗せて?」 「ダメだよ!お姉ちゃんは後ろのお席!ちゃんと、しいとべるとしなくちゃだめだよ。」 後20秒… 「そっかあ、残念。今度お隣に乗せてね」 不意に、男の子が何かに気づいたようにこちらを見上げた。 男の子の顔に、さっきまでの笑顔はなかった。
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