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「でも、驚いたわ。夏子ちゃんから話しかけてくれるなんて…。」
言われて急に恥ずかしくなる。
「ごめんなさい、お仕事中に…。」
下を向いてボソボソと謝った。
看護師さんは、膝に手を付き、夏子の顔を覗き込んだ。
「ううん、嬉しい。もっと色々、お話ししたいな?
また、何でも話して?」
「何でも…?」
顔を上げて、聞き返した。
「うん!何でも。それに、今日は顔色もいいみたいよ?
なんだか少し頬がピンク色。可愛いよ?元気になって来たのかな?」
笑いながら、看護師さんは部屋を出て行った。
「ピンク色?」
両手を頬に触れて、なんだか急に恥ずかしくなった。
それでも嬉しくなり、鏡を取り出し見てみる。
「ピンク色……ふふっ…可愛い、て嘘でも嬉しいな。」
少し素直な自分がいた。
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