私を認めていただけますか?

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驚き背筋を伸ばすゆかりの前で、大きく開かれるドア。 中から細身の小柄な女性が顔を出し、石田が「お母さん」と呼んだ。 「急にどうしたの」 石田の母は「ごめんね」と謝った。 「窓からふたりの姿が見えたから、待ち切れなくなっちゃって」 彼女はそう言って、ゆかりに視線を向けた。 「暑い中よく来てくれましたね。さあ、どうぞ上がって」 息子と同じような、白く綺麗な顔がほころんだ。 柔らかな表情にホッとしつつ、ゆかりは石田のあとに続いて家の中へ入っていった。
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