これは兄の実話です。

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ポチャが死んだ、と母から電話連絡が入った。 雪みたいな真っ白な犬だった。 母によると。歳をとってからはいつも家の中にいるポチャが、死ぬ時は門の前で誰かを待つように弱い足腰で必死に耐えていたという。 「死ぬ前に雄太を待っていたんだと思うよ。」と母は言った。俺は九州の実家に二日後帰省した。実家に帰ると小さくなったポチャが、いれものにおさまっていた。 すこしまぬけそうな表情をしていて人懐こいポチャ。そんなポチャは俺の初めてにして一番の友達だった。 俺が8歳のころポチャは家にやってきた。ポチャが来たその日は、ポチャがあまりにも可愛すぎてトイレにいかないであやしていたら、小便をもらしてしまった。 ポチャと俺の距離が縮まったのは9歳の夏のことだった。それはポチャも一緒に家族で田舎のばあちゃんのところに行った時だ。ばあちゃんが着物を着つけてくれたので俺は自分が西郷隆盛になったような気分になり格好つけてポチャと散歩にでた。調子に乗って田舎道を歩き遠くにいきすぎ迷ってしまった。ほうぼう迷い、俺は喉が乾いてしまった。ポチャの白い足も汚れてしまっていた。
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