穀雨 貳

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 そうして華は高校に着き、自転車をとめて教室へと向かう。朝のホームルームが始まるまであと10分。  教室へ向かって歩きながら、華は慶について考えていた。  慶くんはなんで部活をしてないんだろう。きっとすごく運動ができるのに。もしかしてアルバイトをしてて、忙しいのかな。わからない。そうだ、せっかくだから今日は勇気を出して慶くんに話しかけよう。昨日のお礼を言って、なにかスポーツしてるのかきいてみようかな。  華が教室に着くと、慶はもう席に座っていた。本を読んでいる。  うーん、おじいちゃん先生はまだ来てないけど、もうすぐ朝のホームルームが始まる時間。慶くんにはまた後で話しかけよう。緊張してきたなあ。
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