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そっか。私は今、本当に失恋したんだ。これが慶くんと恋人になる、最後のチャンスだったんだ。
慶くんの連絡先はわからない。どこで何をしているのかももうわからない。
もし昨日、私がここに来ていたらきっと。
木のテーブルと手紙にぽつり、ぽつりと涙が落ちた。
「う、うう、うううう」華の目から涙が次々に溢れる。
お婆さんは静かに店の奥へと入っていった。
慶くんは、1日私を待ち続けたんだ。もしこれで私が来なかったら諦めよう、って。
涙が止まらない。慶くん。私……。
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