21人が本棚に入れています
本棚に追加
そうだ。きっと慶くんはもう、前を向いてる。それに私の夢は、まだ叶ってない。
私はあのお店で働きたかった。でもそうじゃない。私の夢は、あのお店でトップになることだ。
慶くんと恋人になることはできなかったけど、いつかまた素敵な人と出会って、恋愛をしよう。
私はもう、私なんて、とは言わない。思わない。
あの慶くんを5年も惚れさせた女だ。胸を張れ、私。
会計が終わり、華は手紙をテーブルに置いた。
「おばあちゃん、ありがとう。この手紙は処分してください」
「わかりました。またいらっしゃい」
「はい。また」
最初のコメントを投稿しよう!