穀雨

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「球技大会に向けて練習だね。でもなんでそんなににやにやしてるの?」 「華が運動音痴だと私は知っているのだよ。C組の栄光の為に、私の私による華のためのスパルタ教育が今始まる!」  ひええ。でも、確かに練習は必要だよね。このままじゃ私はお荷物になる。チームメンバーに迷惑をかけないように頑張らないと。  すると早希が急に立ち上がった。 「私は先に行ってバレー部でボール借りてくる。ではまた倉庫前に集合!」  そう言って教室を飛び出していった。  うーん、早希ちゃんは優しいっていうか、親しみやすいのかな。校則違反である髪色をしていながら何故か許されている早希ちゃん。先生に注意されても、3分後には先生と笑い合ってるんだもんなあ。  華はそんなことを考えながら、ジャージのパーカーを持って、集合場所へと向かった。
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