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人間観察
夏休み明けの2学期 私たち家族は日本へ帰ってきた
とある高校への転入届けを済ませた まだ夏の暑さが残る教室へと向かったのだ
(ハイ 静かに!今日は皆さんに新しいクラスメートを紹介します)
廊下で待つ私はドキドキが止まらない
(鎌吉さん入って来て)
ざわつく教室の中 私は扉を開けた
(カマチさんは幼い頃から お父様の仕事でアメリカへ行ってました 日本はあまり詳しくないかも知れません 仲良くしましよう…)
(先生 フルネーム カマチ何?)
(あ…えっと!鎌吉 …理子さんです)
この担任は気を遣ってか 姓と名を離し私を紹介した そして滑舌悪いのか カマチに聞こえた
(鎌吉です 宜しくお願いします)
(カマチさん 後ろの席へ)
私は指定された席へ座った
休み時間 女の子三人が私の側に寄って来た
(理子さんはアメリカは何処から来たの?)
お嬢様風?な女子 名前は篠崎美羽だと名乗った
(ん…田舎の方?です)
(へぇ~…)
微妙にひきつる顔が見える 甘えるような声
アダ名をブリ子と決定した
(美羽は頭良いから何でも聞くといいよ)
山浦理香子…ゴマを擦ったような 気遣い女子
この人はスリ子にしょう
(ね~理子さん 英語堪能でしょ?色々教えてね)
山田真依…何も言ってないのに 勝手に決めるこの人はアブ子…かな
そうそう 担任は滑舌悪いから舌子に決定
こうして 私の高校生活が始まった
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