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門のチャイムを鳴らす
(どちら様でしょうか?)
(私です 理子…開けて)
(失礼致しました)
自動で開く扉
(ただいま)
(お帰りなさいませ お嬢様)
(あら 理子早かったわね どうだった?学校)
(さぁ~良く分からない 始まったばかりだし)
私の家族…
父親は官僚 母は昔CAをしてたらしい 出会いは飛行機 所謂ナンパ
このお屋敷は祖父の家 広いだけで使い勝手が悪い 屋敷裏にはテニスコートとプールがある 幼稚園の頃 忙しい父が 何処も連れて行けないからとプールを造った
一人娘の私がこのプールを使用したのは数回程度 夏になると業者の人が来て掃除をしてくれるのだ
祖父は曾祖父から続く会社の会長 今は伯父が継いでる
私たち家族がアメリカに行ってる間は祖父母が住んでいた お手伝いさんと運転手 お手伝いさんは住み込み 運転手は通い
そうだ!幼稚園…私をからかった男の子 名前も忘れてしまったが 私の顔を見るなり
(カマキリだ カマキリが来たぞ~)
と…からかわれてた お絵かきの時 先生がお友達を描きましょうとなった時
その男の子は わざわざ私の前に来て 画用紙に カマキリの絵を描いた
(先生はお友達と言いましたよ ……くんのお友達は カマキリさんかな?)
と言ったのを微かに覚えてる
両親に自分の名前がイヤだと泣いたのはその時だった
(ね~お母様理子は何故リコなの?)
(ママが好きな名前だからよ 女の子が生まれたら理子って決めたの)
(リコはイヤだ…違う名前が良い)
すると父親は私にこう言った
(理子はいずれ嫁に行く…気にするな)
まだ幼い私に現実的な言葉を投げ掛ける父親だった
鎌吉理子 カマキリ子…早17年…
両親は 弟が出来るだろうと期待してたが 弟所か妹さえ出来ず 私は一人っ子で育てられた
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