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仕事帰りに駅前の居酒屋に入る。
チェーン店ではないので、少しだけお高いが、個室みたいになっていて、話がしやすい。
もう2人とも若くないので、賑やか過ぎるところは苦手なのだ。
そんな店で、美波の怒った声が響く。
「キスさせなかったって?!あんたねぇー」私は唇に指を当てて、シーッと言って、
「美波、声が大きい。」
「な・ん・で?。ナナコはリュウの事が好きでしょう?」と当然のように聞く
「わ、私が、リュウを好きだって言った?」
そんな事はみればわかるでしょ。とアッサリ返される。
「リュウに恋人がいるかもしれないのに、…そんな事は出来ないよ」と言うと、
「他に恋人なんて、いるわけないでしょう!
…もしも、もしもよ、リュウに恋人がいたとしたら、
ナナコはリュウを好きにならかったの?」
「…好きになったと思う。
でも…恋人がいたら、好きになっちゃいけないって思ってる。」と今の気持ちを言って、
「まだ、失恋する準備が出来てないの」と小さな声で続けた。
「もー!!焦れったい!!
なんで、お互い好きなのに、気持ちを伝え合わないかな?
リュウも、修一君に遠慮し過ぎだって!」と、かなり興奮している。
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