第4章 おわりとはじまり。

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「美波。でも、リュウには恋人が…」と私は言葉に詰まる。 「ナナコ、欲しい物は、手を伸ばさないと、手には入らない。 リュウが好きなら手を伸ばしたら? リュウはナナコの気持ちがわかってないと思うよ。 …ナナコの気持ちがわかれば、リュウだって恋人がいれば、キチンと話してくれるでしょう。 このまま、 恋人がいるかどうかわからないままで離れて行ってもいいの? ナナコ、勇気をだして。」と私の手を握った。 「…美波… そうだよね。 …私ももう少し勇気を出して、私なりにリュウに気持ちを伝えてみる。 今月の終わりにはリュウも引っ越す予定だし、もう、私は自分の気持ちに気づいてて…友達には戻れないから…」と決心する。 そうしなければ… リュウに恋人がいたなら、ちゃんと離れないといけない。 彼の口から恋人がいるとはっきり聞こう。 これから、 …リュウに頼って生きてはいけないのだから…
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