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「えーとさあ、
ナナコなりに伝えるって、具体的になに?」と美波が追求する。
「…えーと、えーっと、美味しいご飯を作ったり…」
「今も、してるよねえ」
「じゃあ、えーっと、リュウが落ち込んでいる時に優しく慰めるとか…?」
「それは、エッチつきのヤツ?」と美波が聞くので
「…それは、無理でしょ」と私が慌てると、美波が私の頬っぺたをギュッーっとつねる。
い、痛い。
「あんたは中学生か?
いや、今時の中学生はフツーにキスぐらいしてるか…」と美波はあきれ顔だ。
とふと、私の顔を見て、そっか、と言う。
「それってさ、頑張って気持ちを伝えるのが今までと変わらないってことはさ、
今までもずっとリュウに愛を伝えて来たってことじゃないのかな?」
私は、赤面する。
美波は
「なーんだ。そういうことか」と妙に納得して、
「これじゃあ、リュウにはきっとわかってもらえないなぁ」と呆れたかおを見せ、
じゃあ、この先に進むには、リュウの方をどうにかするしかないってことか…とブツブツ呟いてから
ナナコは今まで通りに頑張って下さいね。
と言って、美波はやっと食事を始めた。
その後は私が何を言っても、ハイハイと相手にしてもらえなかったみたいだ。
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