彼女について

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そんな彼女との出会いは会社を辞めた数年前の雨の日だった。 「……こんな所に……一人で……居たのか?」 道端の寂れた誰も来ない公園の遊具の下で雨を凌ぐためか、体を丸め、震えていた幼い彼女。 新卒二年目でいきなりクビを言い渡されどうしたらいいかわからず途方に暮れ、いっそこのまま死んでしまおうかと考えていたのに彼女を目にするととにかく彼女を助けてあげないと……という意識が生まれた。 僕はすぐ人目を気にしながら彼女を家に連れて行ったっけ。 で、家に帰ってお風呂に入れてやって小綺麗にしてやって……。 自分が死のうとしてたのも忘れて、今にも死にそうな彼女にヒヤヒヤしたっけなぁ…… 綺麗にしてやると彼女は今まで見た中でも誰にも負けないとても美しい外見をしていた。
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