青い空に魅せられた彼女

3/9
59人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
「真っ青な空! 綺麗!!」と真里が叫んだ。 そこには、見上げた空だけでなく、ヘリの全周にどこまでも続く真っ青な空が広がっていた。 足元に広がる真っ白な雲海が空の青色を一層映えさせていた。 達也は自分の読みが当たった事と、結果、真里が満足してくれた事で胸をなでおろした。 ヘリを降りて家路についた。真里が肩を寄せて来た。 「ありがとう。今日の事は一生忘れない!」 真里が大きな目で達也を見つめながら言った。 「今度は、僕の操縦する飛行機で、もっと高い場所に連れて行ってあげるよ」 達也は高い空を見上げて言った。 「うん、待ってる。ありがとう」真里は、(うつむ)きながら応えた。 そして突然、達也にキスをした。 達也にとって初めてのキスだった。頭の先からつま先まで電気が走った様に感じる。 「これはお礼。本当にありがとう。大好き!」 真里は耳まで真っ赤になっていた。 達也も顔を赤くして、そして真里を抱きしめた。 短い抱擁だったが、二人が愛を感じ合うのには充分な時間だった。 その2週間後、真里は家族と一緒にアメリカに旅立った。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!